2018/12/5~7 高機能塗料展(東京)『未来への塗料技術』詳細レポート
この度DNTは、第1回 高機能塗料展(東京)に出展し、加飾バリエーションの多様化および在庫やロスの削減に貢献する「デジタルコーティングシステム」や、金属のような仕上がりの金属調塗料、DNT独自の「塗る」素地調整技術などをご紹介いたしました。
おかげさまでDNTブースは、展示会全体来場者の約14%にあたる延べ8,400名超のお客様にお越しいただく大盛況となりました。お忙しいなか弊社ブースにお立ち寄りくださり、誠にありがとうございました。
塗料展およびDNTブースの様子
展示会で多く頂戴したご質問
DNTデジタルコーティングシステム【インクおよび塗料によるインクジェット加飾システム】
展示会での見本板の仕様を教えて欲しい
下記のような仕様となっております。
見本板の基材(アルミ板・ケイカル板・アクリル板)に対してプライマー層やシーラー層で各基材への密着性を確保 その上のベース受理層では、色素安定性を付与 次に、インクジェットプリンタで木目柄やカーボン柄などを印刷して再現 最後にトップコート層にて、意匠層の保護や光沢調整を施す
木目調の凹凸質感について、どうやって再現しているのでしょうか。
透明(クリア)のUVインクを使用し重ねて印刷することで、インクが積層され導管や節のような質感を表現しています。
DNTデジタルコーティングシステムの特徴を教えてほしい。
当システムの最大の特徴は、インクジェット加飾と塗料の複合塗膜を形成し、工業製品へ高い意匠性を付与できる点です。 自由で多彩な意匠を様々な工業製品に付与でき、デジタル生産により小ロット・多品種対応も可能です。 高耐候性トップコートとの組み合わせによって耐候性を持たせられるため、屋外でも使用可能です。
サビシャット【塗布形素地調整軽減剤】
サビシャットを使えば素地調整が不要になりますか?
サビシャットは素地調整が不要になるものではなく、従来の物理的素地調整を塗布形に転換することで素地調整作業の省力化が可能となるものです。
素地調整が塗膜寿命に与える影響は非常に大きく、塗膜寿命に及ぼす寄与率は約50%とも言われています。このため、脆弱な錆が残存したまま塗替を行っても期待する耐久性を得る事は出来ません。
サビシャットを塗布することで錆の凝集力を向上させ、錆層中の水や腐食性イオンを無害化し、物理的素地調整を実施した場合と同程度の素地調整レベルの確保が可能となります。
サビシャット塗布前の素地調整としては、塗面の塩分や油脂、塵埃などの付着物を除去し、付着力のない浮きさび等はマジクロンなどで除去してください。
サビシャットの効果についての詳細はこちら(サビシャット|注目製品特集 )をご覧ください。
サビシャットは下塗りとして使用するのでしょうか?
サビシャットは下塗塗料ではございません。素地調整の一環として下塗前に使用してください。
さびに対して効果を発揮するため発錆部にのみに使用し、その後下塗塗料を塗装してください。
サビシャットを新設の部材に使用すれば、さびの予防保全として機能するのでしょうか?
サビシャットはさび(赤さび)に対して効果を発揮します。
状況にもよりますが、新設部材に存在する黒皮(ミルスケール)に対しては効果を発揮しません。
実績はどういったところにありますか?
橋梁の塗り替え、プラント、立体駐車場、遊園地の観覧車、トタン屋根等、公共工事・民間工事ともに幅広い採用実績がございます。
スーパーブライトNo.2000,アクリタンMY-51【高意匠性 金属調塗料】
一般的なメタリック塗料との違いはなんですか?
弊社の金属調塗料の開発コンセプトは、『塗装でめっき調の輝きを』としております。 アルミ顔料の粒子感を目視で捉えにくくするために、アルミ顔料の種類や厚さを均一にし、塗装後のアルミ顔料の向きを揃えることで、光を正反射させ、金属感=高輝度外観を生み出しています。
金属調塗料のカラーバリエーションを教えて下さい
アクリタンMY-51は、メタリックベースに着色可能です。 スーパーブライトNo.2000は、ベース層への着色が不可ですがカラークリヤーでの対応は可能です。
金属調塗料を金属素材やカーボン素材などへは塗装できますか?
被塗物素材への付着性のよいプライマーを工程上へ追加していただければ、問題なく塗装することが出来ます。
金属調塗料の水性塗料タイプはありませんか?
現在、開発中です。各性能の評価検討中であり、将来的には可能性はありますが、もう少し時間はかかると思われます。
Vフロン#200スマイルRBメタリック【建築用ふっ素樹脂上塗塗料(弱溶剤形)】
通常のメタリック塗料をローラーで塗装するとなぜムラになるのですか?
メタリックの塗装では、アルミ顔料の向きを均一に揃えることにより金属調の意匠を発現しており、アルミ顔料の向きが不均一になると、ムラがあるように見えます。 通常のメタリック塗料はエアスプレーで塗装し、塗装時に余分な溶剤が揮発することで塗布後のアルミ顔料の動きを抑制し、アルミ顔料の向きを均一に制御しています。 しかし、スプレー塗装用のメタリック塗料をローラーで塗装すると、溶剤の揮発が少なく塗装後のアルミ顔料が動きやすい状態となり、アルミ顔料の向きが不均一になりやすく、メタリック感の低いムラのある外観になります。
メタリック塗料の塗替え作業は誰が行っても綺麗に仕上げることが出来るのですか?
当製品は、DNT独自の配合技術によりアルミの配向をコントロールしています。そのため、塗装には一定の塗装技術が必要で、試験塗装を経て綺麗に仕上げるコツを掴んでいただく必要があります。
塗り継ぎは大丈夫ですか?ムラにならないでしょうか?
塗り継ぎ部はメタリックムラになりやすいため、基本的にはパネル1枚を1回で塗りきっていただく必要があります。 縦長の基材など1回で塗りきるのが難しいパネルについては、塗り方を工夫していただく必要があります。デザイン変更が可能であれば、ライン等の目地を入れてもらうなども有効的な手段かと思います。
神戸国際交流会館以外での実績はありますか?
具体的な物件名はお伝え出来ませんが、関東で2か所、関西で1か所、北海道で1か所あります。小さな物件では九州や東北での実績もあります。
アルミ以外には塗れないですか?
基材に応じて、シーラー等の下塗りを選択することにより、無機材や鋼材などにも塗装することが可能です。
パウダーフロンSELA【二層分離形ふっ素樹脂粉体塗料】
ボンディングメタリックとはなんでしょうか?
ボンデッドアルミと表現されることもあります。
塗料に使用されている樹脂(クリヤーベース)とアルミ顔料を接着=Bondingさせたもので、樹脂とアルミ顔料を混合させただけのドライブレンドと比較して塗装作業性に優れており、均一な仕上がりが得られます。
回収再利用が可能なので廃棄量を削減することが出来ます。 当社製品『パウダーフロンSELA ボンディングメタリック』は、来年、2019年度の発売予定です。
ポリエステル粉体からパウダーフロンSELAに切替えたいがコンタミ性はどうでしょうか?
現在、ご使用の粉体塗料をお教えいただければ、弊社にてコンタミ試験を実施して確認いたします。既存品の種類によっては、サンプルのご提供をお願いする場合がございます。
※最寄りの営業所までお問い合わせください。大日本塗料の営業所一覧
遮熱塗料 エコクールシリーズ
他社製品との違いはなんでしょうか?
弊社の比較実験結果では、温度低減効果が他社比で優位であるというデータが得られています。
季節や時間、色、塗装された素材にもよりますが、温度低減効果の例としては、通信用コンテナボックスの屋根面へ塗装したことで夏の正午の表面温度が17度下がったという結果が得られております。また、室内の温度低減効果については、建物の形状により大きく異なりますが、折板屋根の平屋の工場の場合は約1~2℃下がったという結果も得られております。
リニューアル発売とありますが、どのような点が変わったのでしょうか?
安全性と環境対応の観点から、強溶剤形タイプは廃止し、水性と弱溶剤形のみのラインナップへと変更しました。
弱溶剤形製品群の名称変更(マイルド→スマイル)と合わせてシリーズ体系をわかりやすく整理しました。
リニューアルに伴い、遮熱塗料に親しみを持っていただけるよう、オリジナルキャラクター『ひえティ』を設定し、容器も専用のデザイン缶へ変更しました。
遮熱塗料は黒色の耐候性が良くないと聞きましたが、どうなのですか?
一般的に黒系の色はカーボンブラックを使う必要がありますが、遮熱性が低いため、エコクールシリーズではカーボンブラックを使用せず、顔料を混合して黒色を作っています。
以前の遮熱塗料では耐候性の異なる顔料を使用していたため、特定の顔料だけが退色することによる変色傾向がみられましたが、現在はより耐候性の良い顔料に変更しているため退色しにくくなっています。
クリヤーの遮熱塗料はありますか?
弊社の遮熱塗料は、赤外や近赤外領域の光を特に反射する着色顔料により遮熱性能を出しており、クリヤーではなくエナメルになります。
何をもって遮熱というのか、何か性能の規定があれば教えてください
建築物の屋根等に用いる自然乾燥形エナメル塗料「反射型の遮熱塗料」についてはJIS K 5675(屋根用高日射反射率塗料)により規格化されています。遮熱性能については、塗膜の明度により近赤外波長域の日射反射率が規定されています。
反射機能以外の遮熱性能に関する規定はありませんが、2017年11月に制定されたJIS K 5603(塗膜の熱性能-熱流計測法による日射吸収率の求め方)で遮熱性能を横並びに評価できることから、日本塗料工業会では2018年10月より屋根用遮熱塗料の遮熱性能の自主管理基準を制定、運用開始をしており、遮熱性能の業界基準と共通表示を行う予定となっています。まだ新しい基準であり今のところ申請を行っているメーカーはありません。
エポティ【弱溶剤形変性エポキシ樹脂プライマー】
エポティを使用する場合、素地調整は従来通り必要ですか?
素地調整は従来通り、各被塗物の状態に応じて必要となります。 当製品を用いる利点は、従来は素材ごとに使い分けていた下塗塗料を一本化できるため、プラント設備など様々な素材が入り組んだ塗装現場での作業効率化に貢献できる点です。
従来の非鉄金属用プライマーとは何か違うのでしょうか?
従来は付着性の問題から、アルミやステンレス、亜鉛めっきなど金属の種類によって塗料を使い分けていただく必要がありました。 エポティは下地適正幅の広さが最大の特長であり、例えば同一工事内で異なる材質の被塗物が混在している場合、下塗塗料を一本化することが可能というメリットがあります。
Vトップ車両用イノーバNクリーン【工作機械・建設機械・車両向け低汚染タイプ塗料】
Vトップ車両用イノーバNクリーンと一般的な防汚塗料との違いを教えてほしい
一般的に市場で流通している防汚塗料は塗膜表層に親水層を形成し、雨水等によって汚染物質を洗い流す塗膜設計となっております。しかし、親水層は経年劣化等により消耗・摩耗するため、
長期にわたる防汚機能が持続出来ません 。
当製品はこうした課題解決のために、従来の親水性防汚塗料とは異なる2点の機能性を塗膜に付与しております。
1点目は、塗膜の架橋密度(樹脂の化学的結合)を向上させ、汚染物質の塗膜への「こびり付き」を抑制します。
2点目は、無機成分(セラミック成分)を加えた有機無機複合塗膜を形成し、汚染物質そのものを弾くようにしております。
この2点の特徴は、塗膜の有る限り防汚機能を発揮するため、長期間の防汚機能を持続する事ができます。
Vトップ車両用イノーバNクリーンの耐候性はどの程度でしょうか?
サンシャインウエザオメーターによる促進耐候性試験および沖縄曝露試験(2夏)の結果は下記の通りです(自社試験)。
1,000時間後:光沢保持率 約98%(一般ウレタン系塗料 約91%)
2,000時間後:光沢保持率 約97%(一般ウレタン系塗料 約90%)
沖縄曝露2夏*:光沢保持率 約95%(一般ウレタン系塗料 約84%)
紫外線が強い沖縄県での曝露試験を2年間実施した結果、一般ウレタン系塗料と比較して、光沢保持率は10%近い差がでており、優れて耐候性を示しております。
Vトップ車両用イノーバNクリーンにはセラミック成分が配合されるとのことですが、一般的なウレタン系塗料と比較して美観は劣るのでしょうか?
配合しているセラミック成分の大きさは20ナノメートルと極微小です。目視で認識出来る大きさではないため、美観を損なうことはございません。 また、塗料自体が高外観性能を有しているため、むしろ一般的なウレタン系塗料よりも美観に優れます。
ルミノグリップ【ノンスリップ水性蛍光塗料】、グリップペイントNEO【ノンスリップクリヤー塗料】
ルミノグリップは屋外でも使用できますか?
ルミノグリップは屋内用となります。
グリップペイントNEOは塗装後、どれくらい経てば通行できますか?また、どのくらい耐久性がありますか?
塗装後、3時間後には軽歩行が可能です。 耐久性は、塗装面上の歩行頻度にも左右されますが、概ね2年程度は滑り止め機能を維持します。
グリップペイントNEOは1kg当たりで何㎡塗装できますか?
およそ7㎡/kgとなります。
グリップペイントNEOを塗装する際、下塗りは必要ですか?
御影石、大理石、タイル、鉄板、縞鋼板、コンクリートには直接塗装が可能です。 詳細はこちら(グリップペイントNEO )
既に塗装されている上にも塗装可能ですか?
強溶剤タイプなので、工場塗床のエポキシやウレタン系の上は直接塗装可能です。 弱溶剤系や水系塗膜の上は旧塗膜に悪影響がでる可能性があるので少量サンプルで試験塗装などの確認が必要となります。
Super蓄光スプレー 【スプレータイプの蓄光塗料】
照明を落としてから何時間ほど発光しているか?
膜厚にも左右されますが、標準では消灯後3~4時間程度発光を維持します。
インビジブルシリーズ【ブラックライトで光る塗料】
実際にどのような用途で使用されていますか?
舞台演出、偽造防止、隠しインク、アミューズメント施設の再入場スタンプ等で活用されております。
このほか、透明な接着剤やコーティング剤等がむら無く塗装できているかの確認やパーツの位置合わせの目印としてのマーキングなど、工程管理用途で採用していただくことも増加しております。
すべらない塗料
すべらない塗料を塗装することで、すべらなくなる理由を教えて下さい
塗料自体に珪砂が入っており、表面がザラザラしています。そのザラザラが摩擦を生み、すべらないようになります。
くもりガラススプレー
くもりガラススプレーはくもり止めのスプレーですか?
くもり止めではなく、透明なガラスなどに塗装することですりガラスにする製品です。
水性さびホールド
さびホールドがどの様な塗料なのか教えてほしい
”赤さび”に対して塗装し、さびの一番安定している状態である”黒さび”への転換を促進する塗料です。 面倒なさび取り作業が不要で、さびの上から直接塗装できます。
さびホールドはシルバーのみでしょうか?
現在はシルバーのほか、黒色も発売しております。
さびホールドの耐久性はどの程度でしょうか?
塗装条件にもよりますが、一般的な水性エマルジョン塗料と同等程度(3~5年)です。
この他にも弊社製品や技術、サービスに関するご要望、ご質問がございましたら、こちら よりお気軽にお問い合わせください。
展示会出展製品 説明パネルデータDL(2019/1/21まで)
※当展示会のパネルデータは、公開終了いたしました。
製品名称
概要
パネルデータ
DNTデジタルコーティングシステム
インクジェット加飾と塗料の複合塗膜により、工業製品の高意匠付与に貢献
資料DL
サビシャット
従来の物理的な素地調整法を大幅軽減 十分な素地調整が実施できない環境下において、その機能を発揮
資料DL
アクリタンMY-51
従来のメタリック塗装では実現困難の、アルミ粒子を感じさせない金属感の強い仕上げが可能
資料DL
スーパーブライトNo.2000
従来のメタリック塗装では実現困難の、めっきのような質感を持った金属調仕上げが可能
Vフロン#200スマイル RBメタリックシステム
スプレー塗装を必要とせず、ローラーや刷毛塗りで金属調意匠を得られる独自の塗装システム
資料DL
パウダーフロンSELA
2層分離の独自塗膜構造により、ふっ素樹脂塗料の優れた耐候性と、ポリエステル系塗料の高い付着力や柔軟性などの2つの機能を保持
資料DL
エコクールシリーズ
光を反射し、熱を放射する遮熱塗料。塗装によって夏の酷暑対策を!
資料DL
エポティ
独自の塗膜形成技術により、塗膜が付着しにくい亜鉛めっき・ アルミ・ ステンレス・ガルバリウムにも強固に付着し、高い防食性を発揮
資料DL
Vトップ車両用イノーバNクリーン
汚れ防止機能(汚れにくく、汚れが取れやすい)を有し、鉄道車両等を長期間美しく保護
資料DL
関係会社共同出展:シンロイヒ株式会社
製品名称
概要
パネルデータ
ルミノグリップ
ノンスリップ水性蛍光塗料 蛍光色独自の抜群の視認性と、滑り止め機能。階段への塗装に最適!
資料DL
インビジブルシリーズ
ブラックライト照射で発光する各種製品をラインナップ。セキュリティ用途、透明な接着剤などの塗工確認、アートやイベントなどにどうぞ!
Super 蓄光スプレー
蓄光のスプレータイプ 屋内での停電対策や避難誘導、安全対策がスプレーにより簡単に!
関係会社共同出展:サンデーペイント株式会社
製品名称
概要
パネルデータ
すべらない塗料
暮らしの中の滑りやすく危険な場所でも「すべらない塗料」を塗るだけで安心・安全!
資料DL
くもりガラススプレー
透明ガラスにスプレーするだけでくもりガラスに変身!UV吸収剤も配合
水性さびホールド
赤さびを黒さびに変化させ、さびをガッチリホールド!屋内外の鉄部、亜鉛めっき部のさび転換にどうぞ
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