橋梁用の塗料が、なぜ車輌に?過酷な環境に挑む「タイエンダー下塗ストロング銀黒」の実力

橋梁向けに開発された防食塗料が、いま車輌分野でも活用されています。一見すると異なる分野のように見えますが、両者に共通するのは“塩害”という厳しい腐食環境。

実は塩害は、橋梁や建築物だけでなく、車輌にも影響を及ぼしています。特に東北や北海道では、凍結防止剤の影響により、トラックやバスの下回りで腐食が進みやすい環境となっています。

こうした課題に対応するのが、タイエンダー下塗ストロング(銀黒)です。本記事では、その特長と用途の広がりについてご紹介します。

実は車輌も塩害の影響を受けている

塩害というと、海岸沿いで茶色くさびついた橋や、鉄筋が露出したコンクリート建築を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし実は、その影響は車輌にも及んでいます。特に東北や北海道などの寒冷地では、冬季に凍結防止剤(塩化カルシウムなど)が散布され、車輌の下回りにその塩分が繰り返し付着することで腐食が進行しやすくなります。いわば車輌の下回り(シャーシ部分)は「天然の塩水噴霧試験環境」ともいえるほど過酷な条件にあり、早期のサビの発生やメンテナンス負担の増加といった課題につながっています。

橋梁向け防食技術から生まれた新たな展開

こうした車輌における塩害の課題に対し着目したのが、橋梁分野で培われてきた防食技術です。その中でも、タイエンダーシリーズは、過酷な塩害環境下で高い防食性能を発揮し、全国で実績を積み重ねてきました。

橋梁と車輌は一見異なる分野に見えますが、いずれも「常に塩分や水分にさらされる腐食環境にある」という共通点があります。ユーザーへのヒアリングを通じて、車輌においても塩害環境下ではより高い防食性能へのニーズがあることが見えてきたことから、車輌分野への展開が進められました。

また、車輌部材をはじめ各分野では外観上「黒」が求められるケースが多く、こうしたニーズに対応するため、黒系色である「銀黒」が開発されました。性能と用途適合性の両立を図った点が、本製品の大きな特長です。

過酷環境に対応する防食性能

「タイエンダー下塗ストロング 銀黒」は、塩水噴霧試験(SST)10,000時間という非常に高い耐塩害性能を有しています。塩水噴霧試験とは、一定期間にわたり塩水を噴霧し続けることで腐食を促進し、防食性能すなわち、どれだけ腐食に耐えられるかを評価する試験です。一般的には数千時間程度の性能が多い中で、10,000時間という高い耐久性を確認しています。

この性能により、塩分や水分に繰り返しさらされる車輌の下回りといった環境においても、サビの発生や進行を抑え、長期間にわたり防食性能を維持することが可能です。

また、非鉄金属(メッキ材など)への適用性も備えており、素材ごとに塗り分ける必要がなく、本製品を活用してさまざまな部材に幅広く使用できる点も特長です。

こうした性能により、車輌シャーシにおける長寿命化が期待されるとともに、メンテナンス負担の軽減やライフサイクルコストの低減にもつながります。

防食技術はさらに広がる

本製品は車輌分野だけでなく、腐食負荷の高いさまざまな環境での活用が広がりつつあります。例えば、地中に設置される埋設構造物(例:照明柱や標識柱)などで使用が進んでいるほか、橋梁の伸縮装置のように雨水や塩分にさらされる部位への展開も期待されています。

こうした用途に共通しているのは、いずれも「過酷な環境で、素材の腐食が進みやすい環境である」という点です。橋梁で培われた防食技術は、そうした厳しい条件の中で力を発揮します。

今後は車輌分野での活用をさらに広げていくとともに、さまざまな分野での腐食対策の選択肢の一つとして、活用が広がっていくことが期待されます。