この記事は、2019年2月28日の日経産業新聞へ掲載された記事の要旨です。
大日本塗料、ニッチに活路
大日本塗料が「一品モノ」のニッチ製品に注力している。鉄道車両や自動車の装飾品に適した付加価値の高い塗料を開発。西武鉄道の新型特急で採用されるなど実績も出始めている。特徴的なデザインを表現できる製品を打ち出し、新たな収益の柱を育てる考えだ。
西武鉄道の新型特急「Laview」は、カプセルのような形状に、鋭く光る銀色の車体が特徴だ。デザインは建築会のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞した建築家の妹島和世氏が監修した。
3月に運行を始める同社の自信作に採用されたのが、大日本塗料の「スーパーブライトNo.2000」だ。第一印象を決める外観への要求は高く、技術者が立ち会う実車塗装実験も 2年をかけて 10回以上を繰り返したという。
18年に就任した里隆幸社長は「カスタマーファースト」を提唱。顧客の要望に徹底的に応える姿勢をアピールする。著名なデザイナーが関わった新型特急への採用で、ユーザー開拓にはずみをつける。